Categories: INTERIOR DESIGN
Completion: 2019&2023
Place: Toyama
Function : Japanese style dining bar
笑色(以下1号店)は、2019年にオープンした10坪ほどの居酒屋で、2023年に斜め向かいに笑色茶屋(2号店)がオープンした。ともに居抜きの飲食店である。前面道路の幅が狭く、周辺は呑み屋がいくつか並んでおり、メインの商店街からは1本裏に入った地元の利用客も多い路地であった。富山は積雪もあり、雨も多いことから、首都圏にみるようなガラス張りの居酒屋はそう多くはなかったが、ターゲットの客層を考慮して、1号店には壁面に大きくガラスを利用することを提案し、店内が外から見通せる構成にすることで、狙った集客につながったと考えている。ペアガラスを採用して冬場も曇らない効果も大きい。店内は、厨房客席ともにタイトな寸法でつくり、室内の賑わいがガラスから外部に見えるようになっている。材料に関しては、杉材、メラミン、塗装、ビニルクロス、既製品、造作、などを適材適所で使い分け、雰囲気を崩さないようにコストコントロールに成功している。
2号店は、1号店を道路を挟んで拡張したようなイメージで、さらに外部に露出すべく、ファサードをセットバックして、エントランス部分に外部席を設けることで、街路空間との一体化を図った。開き戸や跳ね上げ折れ戸を利用して、外部席のバリエーションもつくっている。店舗内の構成も、両店舗合わせれば、居酒屋を正面から体感できるカウンターや、隠れ家風個室、団体に対応した座敷席、4名席や6名席など、バリエーションに富んでおり、連日にぎわいを見せている。これをきっかけに、街路空間を意識した店舗が増え、通りに賑わいをもたらすことを期待している。